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アールエム

基本的にはついったーとPixivに生息しています。企画話とか二次とかほにょほにょ。

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しばらく前に見た夢が個人的に面白くって、なにかのネタにならないかなと思ってめもめも。
夢の中の主人公は自分のようで自分じゃなくて、「香純」と呼ばれる10代後半の少女でした。
とてもちゅうにな異能系だよ!オチはないよ!折りたたんでますので右下からどうぞ!



冬のある日のことだった。中学からの友人の一人が東京で舞台に出るというので、土日のバイトを休んで東京までやってきた。
とはいっても土日まるごと休めたわけでは無くて、朝一番で職場に顔を出してきたから、一緒に舞台を観る地元の友人たちと一緒に夜行バス…というわけにはいかなかった。ただでさえ少ないバイト代がバイトの都合でお高い新幹線に吸い込まれていく。バスなら半額で来られたのに本末転倒だ、と思ったけれど、出勤を断りきれなかったのも自分だし、開演時刻に間に合わせるには仕方が無い。私は先に東京に着いている友人たちと合流するために、待ち合わせ場所のファミレスへと慣れない道を歩いた。
今日舞台に立つ友人はまなみという。元々華やかな世界への憧れが強くて、中学卒業と同時に、進学はしないで東京に飛び出した。私自身も演劇をやっているから、その行動が羨ましくて、初舞台と聞いた時少しだけ言葉にしがたい気持ちがあった。
スマートフォンの地図を頼りに黙々と歩く。空はなんとも冬らしくどんよりとした雲に覆われている。影も映らない足元を見ながら、自分の胸も曇っていくのを感じていた。彼女のめでたい初舞台なのに。家を、家族を離れられなくて地元に留まったのは自分の決断なのに。
左手のスマートフォンが一度震えて存在を主張した。次の角を右でもう目的地だそうだ。ずれた鞄を肩にかけ直して、気持ちを入れかえる。私の嫉妬と彼女の頑張りは別問題だ。今日は、友人たちと一緒に目いっぱい彼女を祝福するんだ。
そう思いながら角を曲がると、そこには何やら人だかりが出来ていた。新幹線を降りてからここまでどこもかしこも人だかりみたいなものだったけれど、これはなんだか雰囲気が違う。見ればその中心はひとつの雑居ビルで、そのまま視線を上に動かすと三階には私の目的地のファミレスの看板、そしてもっと上、五階の窓からは白煙が上がっていた。
「え、うそ」
思わず声が出る。友人たちはファミレスに、三階にいるはずだ。咄嗟に左手で彼女らと連絡を取り合っていたLINEを開いたけれど、何も動きはなかった。私は人だかりの中心に向かって突っ込んでいく。
消防車呼んだの?とかえーなにこれこわいとか、ビルの入り口とはある程度距離を取りながら色々聞こえてくる人ごみの中には、友人たちの姿は無かった。消防車のサイレンが遠くから近づいてくる。焦る私が友人の一人、メグの携帯に電話した時、ちょうど三階のファミレスの客であろう一団がどやどやと階段を下りてきた。あまり状況を理解していないのかみんな焦る様子はなく、表に出てからビルの上を見上げ、もうもうと上がる煙に気付いてやっと顔を青くして足を速める。
電話は空しくコール音ばかり繰り返す。じりじりとビルの入り口を見つめていると、ファミレスの一団のいちばん最後に友人たち四人が下りてきた。遠目にもみんな怪我をしたりといった様子はなくて、ほっと胸をなでおろす。メグ、と声をかけると、こちらに気付いて四人で手を振って駆けてきた。
「香純!よかったー大丈夫!?」
「そっちこそだよ!電話しても出ないし…」
メグは、あっ、ごめんごめん携帯いまカバンの中だ、と旅行鞄の底まで手を突っ込んで探し始める。なるほどそんなところに入っていて、しかも非常時では電話なんて気付かないだろう。メグじゃなく、普段からLINEでも返信の早いケイか友里に掛けるべきだったのかも。ううん、ともあれ全員無事でよかった。
消防車が到着して、人ごみは消防士たちの邪魔にならない位置へと誰からともなく距離を置きはじめた。旅行で出てきて各々それなりに大荷物を持った私たちは、なるべく早くここを離れて落ち着きたいと人ごみを外に向かってかき分ける。
「トモ、行こうよ」
小学校からの幼馴染の、おっとりしたトモが振り返ってビルを見上げるので、声をかける。あ、うん、とトモは曖昧に返事をするが、やはりまた振り返る。
「どうしたの?」
「5階より上の人たち、大丈夫かなって思って…」
確かに、3階のファミレスの人たち以外に降りてくるのは見なかった。トモは昔から気が優しくて、あと心配性だ。見ていて可哀想なくらいに悲痛な表情で白煙の上がるビルを見上げている。でもだからといって、私たちにできることは無いだろう。
「消防車来たんだし、大丈夫だよ」
わざわざ東京まで出てきて火事に巻き込まれるとかさ、そうそうない災難だよね。おつかれトモ。ちょっとおどけた風で彼女の肩を叩くと、少しだけ気がまぎれたようで、そうだねと笑ってくれた。
その時だった。

がん、と硬い何かがしたたかに背中を打った。誰かの鞄でも当たったかと思ったけれど、よろけながら気が付く。蹴られたんだ、今のは。
誰に?
取り落した自分の鞄が、アスファルトの上に中身をばらまいた。トモが甲高く私の名を叫ぶ。鞄の中身をいくつも踏みつけながら、私は数歩よろめいて背後を振り返った。
す、と影のように。いや、黒いもやのように。コートを着た細身の男の人がいた。清潔感があるとは言い難い黒い髪と無精髭、艶のない黒いコート、足元のブーツまで黒ずくめ。その中で違う色のものがただひとつ。
「ひっ…」
振り返って足元が疎かになったからか、それともその人の持つそれに恐怖したからか、私は尻もちをついた。動けない私に、じゃり、と足音を立てて一歩一歩近づいてくる。男の目には一切の光が無い。視界の隅でトモが震えている。
ひたり。
ナイフを首筋に当てられるなんて経験、生まれて初めてだった。
銀色の刀身は氷のように冷たく、私は息も出来ないまま、ただ男の唇が動くのを見ていた。低い声が呟く。
「死ね」
これ以上ないほど血の気が引いていたはずなのに、まだぞっと背中が冷たくなった。と同時に、言葉を受け止めた頭が一気に回転し始める。死ねってなに!?なんで!?意味わかんない!?
死にたくない!!
カッ、と身体が熱くなった。
瞬間的に、自分に起きたことを理解した。何と言えばいいのかはよくわからない。多分、目覚めた、というのが一番いいんだと思う。自分がそういうことを出来るということを、私は今まで知らなかった。知る必要が無かった。けれど今。知った。私は
能力者だ。

渾身の力を込めて、右手で男の腕を払う。勢いで弾かれたナイフはアスファルトの上に落ちた。男は驚いたようだったが、ナイフを目で追いはしない。決して私から目を離さない。けれど少しだけ…少しだけ、目つきが変わった気がした。
けれど、だからどう、ということを確かめる余裕は私には無かった。跳ね起きて、その場に背を向け、走り出す。残ったトモに危害が加わらないか心配だったけれど、男は脇目もふらずに私のほうを追ってきた。よかった。思った通り、狙われているのは私だけなんだ。よくないけど。殺されるとかたまったものじゃないけど。
角を曲がったところで、進行方向の頭上に看板が見えた。今の私ならいける。
ぐっと地面を蹴ると、いとも容易く身体は宙を舞った。おおよそ人間の身体能力ではありえない高さのジャンプをして、私は軽やかに看板に着地する。そしてまた、そこから少し高い位置の足場へ、また次へ。黒い男を振り切るべく逃げ続ける。
身軽さ。それが私の能力だった。元々運動が得意とか、そういうわけじゃない。体育の成績だってよくない。今は”発動しているから”出来ることだ。
この世界の一部の人間には、秘められた能力がある。そんな噂がまことしやかに流れて――いるわけではないけど、実際自分がそうだったんだから、そうであるとしか言えなかったし、そうであると確信していた。能力者の持つ力は皆同じではなく、私のように身体能力であることもあれば、知力や、もっとほかのことだったりもするんだろう。
ただ、どうにも万能ではない。
通常では考えられないような身軽さで四肢を扱えるけれど、この肉体は所詮私のものだ。そもそも私は運動が苦手で、特に持久走なんて以ての外で、こんな激しい運動をしたのなんか生まれて初めてで。
私の頭は既に酸欠でくらくらしていた。あいつに殺される前に死んじゃいそう。でも足を止めるわけにはいかなかった。いくつめかの建物と建物の間を跳んだ時、足元で何かが弾けた。銃弾だ。黒いコートが道の上に見えた。やだ、全然撒けてない。というかそもそも、男の持つ拳銃がこの目で確認できる程度に、自分の移動ルートの高度が落ちてる。上なら逃げおおせることができるかも知れないと必死になっていたのに、次の一歩を今より上に向かって出す力が、もうない。
もはや自分が息を吸っているのか吐いているのかも分からなかった。心臓が苦しくて、視界がだんだん白くなる。手足が重い。限界だ。もう、逃げられない。
人気のない十字路で信号の上に着地した私は、立っていられずにそのまま倒れ込んだ。人間一人を受け止めるだけのスペースは信号機の上にはなくて、私の身体はずるりとそこから落ちていく。
自由落下の感覚と共に、ぷつりと意識が途切れた。






重い目蓋を開いた時、一番に映ったのは天井だった。白い天井と、ぐるりと四角くパイプのようなもの…いや、これはカーテンレールだ。病院のベッドとかでよくあるやつ。ベッドを囲むように、ぐるりとカーテンが引かれている。
どうやら自分は生きているようだ、とぼんやりと考える。身体に負担をかけ過ぎたようで、腕も足も全然動きそうになかった。今何時だろう。っていうかいつだろう。起きたばかりだけれど眠くて眠くて、頭がはっきりしない。トモは、友人たちは無事だろうか。まなみの舞台は。
まどろむように考えていると、不意にカーテンが少し開いた。苦労してそちらに顔を向け、私は硬直する。
黒いコートの男が、ベッドの脇に顔だけ覗かせていた。
全身で逃げようとするけれど、ちっとも動けない。覗きこんでくるその位置から、ここが二段ベッドの上の段だということは分かった。道理で天井が近い。けれどどうにも出来なくて、私はただ震えていた。すると。
「目が覚めたか」
存外にやさしい声で、ほっと安堵の溜息をつくようにそう言われた。表情は真顔でよくわからないんだけれど、目が、穏やかな光を灯してこちらを見ている。
一瞬あれとは別人かと思ったけれど、そうでもなさそうだった。
「痛むところは?欲しいものはあるか」
問いたいことは山ほどあった。けれど動かない手足同様思ったように声が出なくて、一言、トモは、とかすれた声を出すのがやっとだった。なかなか返事をしない、いや、できない私を辛抱強く待って、男は真っ直ぐに私を見ながら言葉を返す。
「お前の友人たちなら、とうに家に帰っている。安心しろ」
落ち着いた声は嘘を言っているようには聞こえなかった。よかった、と身体の力が抜けて、私はまた眼を閉じてしまう。身体が怠い。全身が溶けるように、またまどろみに引き込まれていく。
一呼吸置いて、自分のベッドのカーテンが静かに引かれるのを感じた。そして近くのどこかでカーテンレールの擦れる音。低く穏やかに何か尋ねる声。またカーテンレールの擦れる音。ベッドひとつひとつ、様子を見て回っているんだ。
あの人は一体なんなんだろう。病院のようなここは一体どこなんだろう。ぼやぼやとした思考が、静かに眠りに溶けて行った。












ってところで目が覚めたよ!!!!!!オハヨウゴザイマス!!!!!!!!!!


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